【簿記3級】第18回 その他の債権と債務 -受取商品券-

前回の講義と同様に、今回も簿記3級で出題される債権・債務について学習していきます。

簿記3級で出題される債権・債務

簿記3級で出題される債権・債務は以下の通りです。(2022年度以降の出題範囲に基づく)

  • 売掛金(クレジット売掛金)、買掛金
  • 受取手形、支払手形
  • 電子記録債権、電子記録債務
  • 貸付金、借入金
  • 手形貸付金、手形借入金
  • 未収入金、未払金
  • 前払金、前受金
  • 立替金、預り金
  • 仮払金、仮受金
  • 受取商品券
  • 差入保証金

今回の講義では、受取商品券について学習します。

商品券を受け取ったときの仕訳

商品券とは有価証券の一種で、商品券と引き換えに、券面に記載された金額に相当する商品を受け取ることができます。

商品券は自治体や商店街などが発行しますが、例えば2019年11月には、2019年10月の消費税率引き上げの緩和策として全国の市町村が「プレミアム付商品券」を発行・販売しました。

このような商品券を発行してもらった人は、商品券が使えるお店に行って、商品券と商品と引き換えてもらうことができます。

【商品券の発行】


【商品との引き換え】

簿記検定で出題されるのは、お店を営む側(売り手側)が商品券を受け取ったときの仕訳です。

以下では取引例を使って、お店を営む側(売り手側)が商品券を受け取った仕訳を確認してみましょう。

【取引例】
リサイクルショップを営む小早川は、そうまに15,000円の商品を売り上げ、自治体が発行した商品券10,000円と現金5,000円を受け取りました

このとき、そうまから商品券と現金を受け取った小早川は、以下の通り仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
受取商品券 10,000 売上
15,000
現金 5,000

自治体等が発行した商品券は、あとで発行者に買い取ってもらうことができます。

すなわち、受け取った商品券は将来お金を受け取る権利(資産)であると考え、資産の増加として借方に受取商品券10,000円を記入します。
また同時に現金も受け取っているため、借方に現金5,000円を記入します。

そして商品15,000円を売り上げているため、収益の増加として貸方に売上15,000円を記入します。

商品券を買い取ってもらったときの仕訳

お客さんから商品券を受け取ったあと、発行者である自治体や商店街に持ち込めば、その商品券を買い取ってもらうことができます。

その場合の仕訳も、取引例で確認してみましょう。

【取引例】
小早川は、所有している自治体発行の商品券10,000円を買い取ってもらい、代金は現金で受け取りました

このとき、商品券を自治体に換金してもらった小早川は以下の通り仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 受取商品券 10,000

自治体に商品券を換金してもらうことで現金(資産)を受け取ったので、借方に現金10,000円を記入します。

そして現金と引き換えに、所有している商品券(資産)を失ったので、資産の減少として貸方に受取商品券10,000円を記入します。

まとめ

  • 商品券を受け取ったときの仕訳
    借方 金額 貸方 金額
    受取商品券 10,000 売上
    15,000
    現金 5,000
  • 商品券を買い取ってもらったときの仕訳
    借方 金額 貸方 金額
    現金 10,000 受取商品券 10,000

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