【簿記3級】第37回 伝票(一部現金取引)
Warning: preg_match(): Unknown modifier '.' in /home/ktktgw0911/nettoh-boki.com/public_html/wp-includes/class-wp-embed.php on line 156
Warning: preg_match(): Unknown modifier '.' in /home/ktktgw0911/nettoh-boki.com/public_html/wp-includes/class-wp-embed.php on line 156
目次
一部現金取引とは
前回の講義では、入金取引は入金伝票、出金取引は出金伝票、それ以外の取引は振替伝票で仕訳を起票するという、三伝票制について解説しました。
【簿記3級】第36回 伝票(入金伝票・出金伝票・振替伝票)
しかし実際の経済取引は単純なものではなく、現金の入金または出金取引と、その他の取引が同時に発生する取引も存在します。これを一部現金取引(いちぶげんきんとりひき)といいます。
例えば、商品1,000円を仕入れ、代金のうち400円を現金で支払い、残り600円を掛けとした場合、仕訳は以下の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 1,000 | 現金 | 400 |
買掛金 | 600 |
上記の通り、入出金取引とその他取引(掛け取引)が同時に発生しているため、この取引は一部現金取引となります。
このような一部現金取引の伝票起票方法は、①取引を分解する方法と、②取引を擬制する方法の2通りがあります。
以下で取引例を用いて具体的な起票方法を確認してみましょう。
取引を分解する方法
まず、取引を分解する方法について解説します。
X1年12月10日、小早川株式会社は、そうま株式会社からバット(商品)2,000円を仕入れ、代金のうち800円を現金で支払い、残額の1,200円を掛けとしました。なお小早川株式会社では三伝票制を採用しています。
この場合、仕訳は以下の通りになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 2,000 | 現金 | 800 |
買掛金 | 1,200 |
ここで、当該取引は「A:800円の商品を仕入れて現金で支払った」という取引と、「B:1,200円の商品を仕入れて代金は掛けとした」という取引の2つに分解することができます。
この2つの取引をそれぞれ仕訳にすると以下の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 800 | 現金 | 800 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 1,200 | 買掛金 | 1,200 |
このように分解することで、以下の通り、現金取引(A)を出金伝票に、その他の取引(B)を振替伝票に記入することができます。
取引を擬制する方法
次に、取引を擬制(ぎせい)する方法を、先ほどと同じ取引例を用いて解説します。
X1年12月10日、小早川株式会社は、そうま株式会社からバット(商品)2,000円を仕入れ、代金のうち800円を現金で支払い、残額の1,200円を掛けとしました。なお小早川株式会社では三伝票制を採用しています。
「取引を擬制する」とは、「実際とは異なるが、実質的に同じとみなせる、別の取引を考える」ことを意味します。
具体的には、上記取引例は、「A:商品2,000円を掛けで仕入れた」という取引のあと、「B:買掛金のうち800円をただちに現金で支払った」という取引が行われたと考える(擬制する)ことができます。
この2つの取引をそれぞれ仕訳にすると以下の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 2,000 | 買掛金 | 2,000 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 800 | 現金 | 800 |
このように取引を擬制することで、以下の通り、その他取引(A)を振替伝票に、現金取引(B)を出金伝票に記入することができます。
取引を分解する方法と比べて、伝票の起票方法は異なりますが、出金伝票と振替伝票を合算すれば、どちらの起票方法でも結果は同じになります。